2018年度第1回研究会

概要

 

日時 2018年9月29日(土)14:00~
場所 日本大学文理学部3号館2階3202教室(変更)
アクセス(下高井戸駅下車が分かりやすいです)
https://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
キャンパスマップ
https://www.chs.nihon-u.ac.jp/map/
発表者 藤本 澄江(外務省研修所・非)
 オーディオブック≪如果蜗牛有爱情≫における“这”について 

白銀 志栄(神田外語大学)
 「経験」を表す“过2”と“了”との共起をめぐって 

平井 和之(日本大学)
 《现代汉语词典》儿化音表の音素表記試案

地図

発表要旨

藤本 澄江(外務省研修所・非)
 オーディオブック≪如果蜗牛有爱情≫における“这”について 

 “这”の二つの読音(“zhè”と“zhèi”)について,発表者は2015年度中国語教育学会第6回研究会において,“这”が一連の会話の中で連続して使用される際,その読音の異同に基づき,パターン1「zhè……zhè……」,パターン2「zhèi……zhèi……」,パターン3「zhèi……zhè……」,パターン4「zhè……zhèi……」)に仕分けして考察した結果,パターン4における“zhèi”は指示機能の他に有標機能あるいは区別機能を持つことを明らかにした。本発表では,連続使用ではなく,単独使用される場合においても“zhèi”が有標機能あるいは区別機能を持つかどうか,また持っているとすればどんな状況かを考察した。その結果,“zhèi”が指示するのはその直前で言及されている単一の事柄であることが明らかになった。一方,“zhè”にはこのような制限はなく,複数の文等で表される事柄を指す傾向があることが分かった。これらのことから,“zhèi”によって指示された事柄はマークされて際立っている,即ち“zhèi”は単独使用される場合においても有標機能を持つことが明らかになった。

「経験」を表す“过2”と“了”との共起をめぐって 
白銀 志栄(神田外語大学)

 従来、動詞に付着する“过”は、「完結」を表し結果補語として使われる“过1”と、「経験」を表す“过2”に分けられ、“过1”は“已经(~了)”と、“过2”は“曾经”と共起し、“了”とは共起しない、とされている。しかし、「経験」は過去のテンスに属する事柄であることが多いので、“已经(~了)”と共起することに問題はないし、実例も少なからず存在する。その故か、先行研究に挙げられている例文の中には“过1”と“过2”を混同していると思われるものが散見される。“过”が“了”と共起した場合、二つの“过”の判別は非常に難しいのである。
 としたら、初学者に「経験の“过”」を教える場合、“了”との共起についてはどう説明すれば良いだろうか。この問題をめぐって発表する。