浅谈“了2”

謝平(立命館大学)
キーワード :
了1
了2
動態
事態
トピック 
 “了”について,ほとんどの教科書では,“了1”は動詞の直後に置かれ,「実現」や「完了」を表すのに対し,“了2”は文末に置かれ,「変化」あるいは「新状況の発生」を表し,さらに「願望・命令・注意」などのムードを表す場合があると説明されている。しかし,“了1”の「実現」,「完了」と“了2”の「変化」,「新状況」の区別は中国語学習者には難しい。その原因は“了2”の意味機能に対する誤解である。本稿は先行研究をふまえ,まず“了1”と比較しながら“了2”の基本義を明らかにし,次に“了2”のすべての用法はこの基本義から派生することを論じる。つまり,“了2”の基本的な意味機能は「変化」と「新状況」を表すのではなく,あるトピックがある事態,ある状況になっていることを説明する。「変化」,「新状況」,さまざまな言外の意味などの用法はいずれこの基本義から派生したと考えられる。

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